はりま酒文化ツーリズム

西海酒造

西海酒造

苗作りから行う自家栽培米で仕込み、
販売までを家族で行う、オール手造りの地米酒。

創業から300年近い歴史があるのですね。

西海酒造
地元の人に愛される「西海の味」
が変わらぬよう守り続けてきた、
西海浩一郎代表取締役

弊社は享保元年(1716)年、江戸幕府8代将軍徳川吉宗の時代に創業しました。
当時、庄屋として、米がたくさん集まってきていたのではないかと思われますね。

当主は代々「太兵衛」を襲名しておりまして、私もいずれ9代目として、名前を継ぐことになっております。

決して大きな蔵元ではありませんが、うちの酒を昔から好きだと言ってくれる方、地域の方を中心に、手作りの酒造りを正直に続けてきました。
うちは家族でそれぞれが兼業をしながら、製造をしています。

私は大学を卒業した後は、県立の工業高校で工業化学の教師をしておりました。
定年してから本格的に家業の酒造りに励んでいますが、今も、姫路市内の工業高校で講師として教壇に立っております。

酒米も家族総出で育てられているとのことですが。

西海酒造
使い込まれた仕込み用タンクが、
酒造りの長い歴史を感じさせている。

敷地近くにある水田で種まきからスタートします。
水田の広さは甲子園球場と同じくらいで、毎年約6トンの酒米が採れるのですよ。

苗作りは手間がかかるので、だいたい苗は農協で購入するところが多いのですが、うちは全部手作りにこだわっていますから、苗作りも手を抜いていません。

もちろん弊社の酒米栽培では化学肥料は使いません。
使用するのはレンゲや米ぬか、油かすなど、有機質の肥料。
その米ぬかも、自家精米の時に採れたもの。

手間暇はかかりますが、安心で安全の米を育てています。作り手がきちんと見える原料米を使っているところが、大きなこだわりだと思います。

代表銘柄「空の鶴」はどんなお酒ですか?

西海酒造
事務所に入ると、「空の鶴」の一升ビンを
抱いた木彫りのクマが迎えてくれた

これは誰が「空に舞う美しい鶴に乗って、大空を翔ける夢を見た」という言い伝えから命名しています。

純米大吟醸と大吟醸は自家栽培の山田錦を100%使用し、手作りの麹と敷地内で湧き出る仕込み水を使って、低温でゆっくりと発酵させています。

純米大吟醸は4年半寝かせた熟成古酒も作っています。

結婚式やお正月など、おめでたい時には「翁之盃」というラベルでご利用いただくこともできます。

ライスワインや葛酒など変わったものもありますね。

西海酒造
日本酒らしいラベルの商品。企業などのオリジナルラベルを
貼った注文醸造も、小ロットから可能だ

酒米には山田錦とフクノハナを使い、ワイン酵母で発酵させたのが「ライスワイン」です。
甘口の白ワインに似た甘酸っぱいフルーティな味で女性にも人気ですね。

また葛酒「葛根の花」は国内では弊社しか醸造していない珍しいもの。
平成11年に完成して、メディアでも多く取り上げられました。

もともとは葛の世界的権威である神戸大学名誉教授の津川兵衛先生からの提案です。
葛には健康や美容によいといわれるイソフラボンが含まれており、それを清酒にできないかという話だったのです。
奈良の吉野葛を使いましたが、葛は独特の香りがあるのでなかなか上手にいきません。
3年かけて納得の味を創りだしました。

こちらも甘口でさわやかな香りが特徴なので、食前酒におすすめですね。
うちは販売もほとんどが蔵元での直売です。

直接販売した方が、お客様には安く買ってもらえますからね。
もしかしたら日本で一番小さい蔵じゃないでしょうか?

小さいからこそ拡大路線ではなく、品質本位の付加価値の高い、身の丈にあった酒造りをこれからも続けていきたいと思っています。