はりま酒文化ツーリズム

灘菊酒造

灘菊酒造

昔使っていた酒蔵を改築したレストランを併設、
日本酒のある食文化を広くPRして盛り上げる。

観光スポットとしても人気の蔵元だそうですね。

灘菊酒造
3代目の川石雅也代表取締役と、
お話を聞かせていただいた3代目の三女で
女性杜氏として活躍する川石光佐さん

現社長が、日本酒で生き残るための経営として「量から質」戦略を考えていた20年ほど前、「お酒と食文化のハーモニー」をテーマに飲食部門を立ち上げました。
その手ごたえもあって、この酒蔵レストランをオープンさせたのが平成9年。
ノスタルジックな酒蔵見学とヘルシーなお食事ができる観光ルートとして、人気を集めています。

直売所もあるので、買い物も楽しんでいただけます。
弊社のように、敷地内に酒蔵が何棟も集まった形で残っているところは珍しいのですね。

お客様にはいくつかの蔵をまわっていただいて、昭和30年代まで使われていた道具や現在の酒造りを紹介させてもらっています。
今では全国各地からお越しいただけるようになりました。

姫路市内にこことは別に食事処もやられているのですよね。

灘菊酒造
蔵元の広い敷地には豆富料理がいただけるレストランを併設。
多目的に使われている

蔵元にある、炭鍋と豆富料理が楽しめる酒蔵レストラン『前蔵』のほかにも、姫路駅前を中心に3カ所で展開しています。

今話題の姫路おでんがいただける『灘菊かっぱ亭』、串揚げとしゃぶしゃぶの専門店『蔵』、それにフレンチの『GINJYO』です。
どちらの店でも日本酒にあわせてお料理を楽しんでもらえるよう、豊富にラインナップしています。

「日本酒とフレンチ?」と思われるかもしれませんが、フレンチと日本酒を合わせたスタイルの『GINJYO』がオープンしたのは20年ほど前のこと。
当時は斬新なスタイルでしたが、今では地元に定着して、皆さんに気軽に楽しんでいただいていると感じています。

日本酒好きな方だけでなく、日本酒にあまりなじみのない若い方にも、もっと気軽に楽しんでほしいという情報発信の場でもありますね。

チャレンジのしがいのある相手です。

酒造りのこだわりはどんなところにありますか?

灘菊酒造
酒蔵見学コースで展示されている、
かつて酒米を向仕上げていた大きなお釜

私は現社長の三女ですが、東京農大で醸造を学んで帰郷しました。
長らく弊社にきてくれていた南部杜氏のもとで修業して、平成16年から私が杜氏を務めることになり、弊社は蔵元杜氏制となりました。

地酒を創るという点において、お米や水などの原料も地元産にこだわりますが、蔵人も地元の方を社員として雇用し、地元の風土や気候を理解している地の人間が作るということを大切にしています。

また1回に仕込む量が小さいのも特徴です。
商品によっては、通常の6分の1サイズの仕込みのものもあります。
小規模なのですべての作業を人の手で行って、酒造りを五感で楽しむような、きめ細やかで丁寧な仕込みをしています。
それに仕込む量が小さいと、お客様のニーズに応えた商品開発ができるというメリットがありますね。

以前、お客様からのリクエストがあって、地元の夢前町で採れた古代米を使って、桃色のお酒を造りました。
ちょうど春先の桃の節句にあわせられたので、皆さんに喜んでいただけました。

もうひとつは地元のお米です。
地酒という言葉の意味と向き合うと、やはり地元のお米を大切にしたいと感じます。

山田錦が全国区になってしまったこともあって、山田錦の産地である播磨の酒蔵でさえ、入手が難しいような時代。
こういった状況の中、地元の農家さんと一緒に栽培した、兵庫夢錦で仕込むという取り組みをしています。
お米と商品を一緒に育てていきたいという想いが強くなっていますね。

業界では珍しい女性杜氏として活躍されていますね。

灘菊酒造
直売所には商品を豊富にラインナップ。
ほかにも日本酒を使ったスウィーツなども並ぶ

自分としては女性だからというこだわりはそこまでないのですが、杜氏のイメージは職人気質なおじさんということもあるのでしょうか、お客様からは気軽に声をかけていただけてうれしいですね。

私が大切にしている「和醸良酒」という言葉があります。
蔵人の気持ちがまとまっていないと、よいお酒は醸されないということなのですが、本当にその通り。
日本酒は寒さの厳しい時期に人の手で創る大変な仕事です。

体力的にも気持ち的にもしんどいからこそ、蔵人が気持ちを一つにして、みんなで作り上げていかないといけません。
蔵人の気持ちは不思議なくらいに味に影響するのですね。

播磨の杜氏として、蔵人の和、地域の酒蔵の和を大切にして、お客様に喜んでいただけるおいしいお酒をこれからも造っていきたいと思っています。