はりま酒文化ツーリズム

茨木酒造

茨木酒造

酒米栽培や寄席、催しなど、地域とともに
日本酒を楽しみ、地域文化の輪を広げる。

オーナー杜氏として、一人で仕込まれていると聞きました。

茨木酒造
明石の地酒として日々研鑽を積む、
オーナー杜氏で9代目茨木幹人さん。
酒造りには多弁だ

東京農大で醸造学を学んで帰ってから、当時、来てくれていた丹波杜氏のもとで、2年間修業をしました。平成16年のことですね。

この世界ではまだまだですが、播磨で酒造りをする諸先輩にたくさん技術を教えていただいたり、私と同じくらいの世代の方たちと情報交換をしたり、経験の部分を補いながら茨木の酒を造り続けています。

播磨の酒造組合は風通しがよくて、皆さん、本当に親切。酒造りの技術についても、質問したらどんどん教えてくださいます。

他の酒造組合ではありえないと言われるくらい、みんなで切磋琢磨しているように感じます。
普段はひとりで仕込んでいますが、仲間がいるのでひとりじゃないと思える恵まれた環境にあります。

代表銘柄の「来楽」はどんなお酒ですか?

茨木酒造
ラベルの色で味の違う「来楽」シリーズ。
特産のイカナゴで作った魚醤「あかし魚笑」も、
直売所の人気商品

弊社は江戸末期の嘉永元年(1848)年に創業しました。
私で9代目、営業を担当している父が8代目です。

代表銘柄の「来楽」は孔子の論語「朋(とも)あり 遠方より来たる また楽しからずや」に由来しています。

「人生最高の楽しみとは、仲のよい友人と酒を酌み交わして歓談することである」という意味で、そこにある酒であるようにとの思いでつけられています。

加えて「来楽」は、縁起のよい左右対称文字。裏からでも表からも同じように見えるので、「裏表がない」とされます。

ひとりで仕込んでいますので、大がかりなことをしない、昔ながらの手造りです。明石市の西部は「西灘」と呼ばれ、名水で仕込まれた日本酒が有名な地域でした。

明治時代の最盛期には酒蔵が60軒くらいあったとか。
今では残っているところも少なくなりましたが、「来楽」は明石を代表する日本酒として、残していきたいですね。

花酵母を使ったシリーズも興味深いですね。

茨木酒造
大きな木樽の前に高座が作られ、
「酒蔵寄席」のステージとなる空間

オーナー杜氏になった翌年、平成17年からスタートしました。
自然の花から採取した酵母はシャクナゲや月下美人、アベリアなどありますが、今はアベリアと月下美人の酵母を使って仕込んでいます。
いずれは「来楽」にちなんで、ライラックの花酵母も使ってみたいですね。

花酵母は種類によって特徴が出しやすいので、今まで日本酒が苦手だった方にも、飲んでいただけるような味に仕上がっていると思います。

いろいろと研究が進んでいるので、これからまだまだおもしろくなりそうですね。

酒蔵を開放して、地域の方とイベントや日本酒造りをされていますよね。

茨木酒造
自家水田にたわわに実った酒米。
「元旦仕込みの会」のサポーターと一緒に植えた稲だ

平成20年に兵庫県登録有形文化財に指定されました。
風情のある空間で地域の方に楽しんでもらおうと、
落語家さんを招いて「酒蔵寄席」を始めたのは平成10年のこと。
毎年春と秋の年に2回開いています。
記念の会には大御所も登場して、喜んでもらいました。

お客様とのおつきあいの中から生まれたのが酒米の田植えから稲刈り、仕込み、酒搾りまで、日本酒造りを体験してもらう「元旦仕込みの会」です。

日本酒を味わうだけでなく、酒造りを、それも酒米栽培から体験してもらうことで、さらに楽しんでもらえるようになりましたし、お客さん同士の和も広がっているように思います。

来楽の名前の通り、日本酒を通じて、地域や日本酒ファンの方とのつながりを広げていけるといいですね。